【編集長コラム】楽団や演奏家個人サイトのコンテンツの質を上げる・・・とはどういうことか?





 

こんにちは!

Wind Band Press編集長の梅本です。

この編集長コラムでは、最近気になることや、経験上何か役立ちそうなことなんかを、ちょこちょこと書いています。

今回は以前他のブログで書いていた内容を、Wind Band Pressでのインタビューや日々のインプットによるアップデートを追加しつつ、昨今の事情などに合わせてリライトしてみようと思います。


以前に「SNSでモノを買う時代に僕らはどうやって「演奏会」を売ればいいのか?」という記事を書きました。その中ではUGC(User Generated Content)、ユーザーによって作られたコンテンツが重要ですよねという話を書いたのですが、結局の所は「コンテンツが大事だよね」というところに帰結します。

※まだ読んでない方は先に「SNSでモノを買う時代に僕らはどうやって「演奏会」を売ればいいのか?」の記事を読んでみて下さい。
https://windbandpress.net/14298

Twitterでもなんでも良いですがUGCにつながるコンテンツはコンテンツそのものの質によるところが大きいです(話題にしたくなるコンテンツ)。

ですが最終的にどこに引っ張りたいのか、ということを考えると、「自分のサイトでチケット申し込みしてほしい」とかになるんじゃないでしょうか。

その場合、ターゲットにしている客層にウェブサイトに来てもらわないといけませんね。

そこから逆算していって、SNSでどう売るかっていうところにたどり着くんですが、逆算の手順を考えてみましょう。

■「どんなコンテンツ」を「誰に」届けたいのか

まずここをハッキリとさせておかないといけません。

「サイト上の全てのコンテンツを誰でもいいから多くの方に見てほしい」という気持ちもわかりますが、それはおそらく想いとは裏腹に「誰にも響かないコンテンツ=見られないコンテンツ」になってしまいます。

演奏会のチケットを売りたい、という場合は導線をしっかり設計したうえで、その演奏会のためだけのコンテンツページがあったほうがいいですよね。

その場合に、演奏会であれば「どんな人に来て欲しいのか」を絞り込まないと、雑なコンテンツになってしまいます。ターゲットは同業者なのか、アマチュアの演奏者なのか、オタク層なのか、特に演奏活動はしていない地域のファンなのか、それともクラシックファンではないまったく新しい層なのか・・・

誰に来て欲しいかによって何をどう伝えるかが変わってきます。

同じ題材(例えば同じ演奏会)でターゲット別に複数のコンテンツを作れることもできますが、なるべく絞ったほうが「どんなコンテンツを作ればいいか」が明確になり、準備もしやすいかと思います。

例えばクラシックファンじゃない人や自分のファンじゃない人に向けて発信したい時はウェブサイトにも「初めての方にもわかりやすいプロフィール」「初めての吹奏楽」「初めてのサクソフォーン」みたいなページを別途作る、という案が出てくるかもしれません。

過去に作ったプロフィールなどのコンテンツも放置しないで、ターゲットが明確になっているかどうかを気にしながら、たまに見直して修正してみると良いでしょう。

■設計図を作る

・誰に向けて

・どういう内容を

・どのように発信して

・どこから

・誰が

・やってきて

・どれを

・見て

・その後どのようなアクションにつながるか

の設計図をあらかじめ書いておきましょう。

おそらく発信はSNSがメインになっていくので、「誰に」「何を」が決まっていれば、あとはどのSNSアカウントでそれぞれどのように見せるのかとか、SNSからどのページに誘導してどうアクションしてもらうか、というお客様の行動の流れの設計ですね。

そのとおりに上手くいくわけではないですが設計図があれば上手くいかなかったときに「どこで詰まっているのか」がわかりやすいです。SNSの反応は良いけど、ウェブサイトにある本丸のコンテンツがネックになっていてチケット購入につながらない、ということもあるかもしれません。

適時コンテンツを修正したり投稿を追加したりしていくのが良いでしょう。

■文章が苦手なら写真や動画を使う

コンテンツ、と行っても様々です。テキスト、画像、動画、サウンドファイルなど。

今回は演奏会の場合で考えますが、広報の方にはバンドの強みやカラーを理解していてほしいですし、それ踏まえたうえで今回なぜこういう選曲なのか、今回の演奏会のコンセプトは、とかそういったことをテキストで伝えられれば強いですけれど、文章にするのが苦手、という方の場合はいっそ動画とかに振り切ったほうがいいでしょうね。

例えば団長さんや指揮者、各パートリーダーなどに語ってもらってそれを動画で公開するとか、個人奏者の場合は自分で話しているのを動画に撮って公開するとか、それもまた一つの伝え方ですし、コンテンツです。今は動画のほうが良いかもしれませんね。アマチュアの場合は顔出ししなきゃいけないわけでもないので顔出ししたくない場合は仮面ライダーのお面とかかぶっておいてください。

それをウェブサイトだけでなくFacebookやTwitter、インスタグラムにも応用できますし、テキストよりも見てもらいやすいと思います。

とはいえ動画ならなんでもいいというわけでもなく、単に練習風景とか、ワーキャー言ってるだけの動画を流しても「で、何?」ってなってしまうと思うので、やはり練習風景を公開するにしてもその時点での進捗であるとか、ここをこういうふうに表現したいので今こんなアプローチを試しているとか、そういう一言解説みたいな動画とセットにしておきたいところです。

ここでも最初の「誰に来て欲しいのか」が決まっていればどんなコンテンツが良いのか、何をどう話せばいいのか、ということがおのずと見えてくるのではないでしょうか。このあたりは広報担当チームでしっかり事前に決めておきたいですね。

■結論:コンテンツの質を上げるにはまずはゴール設定

SNSで売る時代ですが、そこに行き着く前にまずはゴール設定。どんなアクションをしてもらいたいか、ということですね。チケットを買って欲しい、チケットは無料だから買わなくていいけどホールを満員にしたい、とか。バンド・個人、また各演奏会やイベントによってゴールは毎回違うと思います。

「このイベントのゴールはどこなのか」

まずはそこから逆算する、というルールを作ると良いのではないかと思います。楽団や自分自身のもっと大きなゴールが定まっていれば、公演企画の時点でもっと広報しやすい企画になると思います。

楽団または個人のゴール設定

イベント企画

イベントのゴール設定

来て欲しい客層の絞り込み

来て欲しい客層に合わせたウェブサイトコンテンツの作成

ウェブサイトコンテンツを元にした発信、またはそこから派生させたコンテンツの発信

発信した場所からのウェブサイトへの流入

ウェブサイトでの訪問者のアクション

という感じでプロモーションの流れを考えてみると良いのではないかと思います。

「コンテンツの質の良さ」は客層によって変わってきます。例えば初心者や演奏者ではない人にとっては音楽用語や専門用語だらけのコンテンツは質が高いとは言えません。

ですので「コンテンツの質=ターゲット層とのマッチング具合」とも言えます。

これから広報を始める人も、すでに始めている人も、あらためてゴールから逆算してみましょう。


今回リライトにチャレンジしてみたのですが、ほぼ全部書き直しになりました。2年前の記事だったので、2年もすれば時代も変わるし僕自身もアップデートされてるので、まあそうなるか・・・という感じですね。

また時間があるときにやってみようと思います。

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